「つまずく」と「つまづく」に違いはあるの?
「躓く」をひらがなにすると「つまずく」と「つまづく」の表記を選べますが、
両者の意味に違いがあるのでしょうか?
今回は「つまずく」と「つまづく」の違いとそれぞれの意味を深堀りしてみました。
「つまずく」と「つまづく」の違い
「つまづく」=歴史的仮名遣い
漢字の「躓く」をひらがなで書く際に「つまずく」と「つまづく」の
どちらを使えばいいのか迷う場合がありますが、
どちらの表記を用いても間違いではないです。
実はこの「つまずく」は、現代仮名遣いに従ったものなんですね。
現代仮名遣いとは、現代語を仮名で表記する際に内閣が定めた規則のことです。
一方、「つまづく」は、歴史的仮名遣いに基づいています。
これは、平安時代中期以前の文献を基準にして仮名の使い方を定めたものです。
たとえば、平仮名の「え」を現代仮名遣いでは「ゑ」と書かないのと同様に、
「つまずく」は現代仮名遣いでは「つまずく」と書くのが正しいとされます。
ただし、辞書などでは「つまづく」という表記も見られ、
歴史的仮名遣いに基づいて使用することも認められています。
使い分ける必要はありませんが、ビジネス文書などを作成する際には、
現代仮名遣いでの「つまずく」という表記が好ましいでしょう。
「つまずく」の意味
躓く(つまずく・つまづく)の意味はどうでしょうか?
1.歩いていて、誤って足先を物に突き当ててよろける。けつまずく。「石に—・いて転倒する」
2.物事の中途で、思わぬ障害につき当たって失敗する。「緒戦で—・く」「事業に—・く」
引用元:goo辞書
このように「躓く(つまずく・つまづく)」には、歩行中などにつまずいた場合と、
思わぬ障害につまずいた場合の2通りの意味があります。
「つまずく」を使った例文
例文でも2通りの使い方を紹介しています。
具体的なイメージが掴みやすいですね。
・公園で遊んでいると、根元に隠れていた石につまずいて転んでしまった。
・夜中に暗い廊下を歩いていると、足元の隙間に足を取られてつまずいた。
・道端に落ちていた枯れ葉につまずいて、草むらに突っ込んでしまった。
・歩きながらスマートフォンをいじっていたら、段差に気づかずにつまずいてしまった。
・ジョギング中に、地面の凹凸に気づかずにつまずいて転んでしまった。
・計画がつまずいた原因は予算の折り合いがつかなかったからだ。
・数年前このグループのメンバーが女性問題でつまずいた。
・彼はプロジェクトの途中トラブルにつまずき上手く進まなくなってしまった。
「つまづく」の意味
「つまづく」の意味は、「つまずく」と同じです。
「躓く」を歴史的仮名遣いで表すと「つまづく」となります。
この「躓く」の語源は、「爪突く(つまつく)」という言葉にあります。
元々は「あやまって爪を突いて体がよろける」という意味から転じて、
「足を物にぶつけて前のめりになる」という意味で使われるようになりました。
したがって、「爪突く」という語源を考えれば、「つまづく」という表記が
歴史的仮名遣いで採用されたのは自然な流れでしょう。
その後、歴史的仮名遣いから現代仮名遣いへの変化に伴い、
「づ」を「ず」、「ぢ」を「じ」と表記するルールが確立され、
「つまずく」という表記が採用されることとなりました。
まとめ
「つまずく」と「つまづく」の違いや意味について紹介しました。
「躓く」という漢字には「つまずく」と「つまづく」のひらがな表記があり、
それぞれ「現代仮名遣い」か「歴史的仮名遣い」かの違いがあります。
使い方に関してはどちらを使っても間違いではないこと。
(辞書にも両方の表記あり)
特に使い分ける必要はありませんが、ビジネスシーンなどでは、
現代仮名遣いでの「つまずく」という表記の方が好ましいと言うこと。
また意味としては、歩行中などにつまずいた場合と、
思わぬ障害につまずいた場合の2通りがあること。
どちらを使っても間違いではないことが分かり迷いなく使えそうです!