ビジネスの場でもよく聞く「適当」「適切」「適正」という言葉。
これらの言葉はみんな「ちょうどいい」という意味がありますが、
実は微妙な違いがあります。
『似通った意味なのに微妙な違い??』
『どう使い分ければいいのかいまいち分からない。。』
そんな風に思う方も多いかもしれませんね。
そこで、今回は、「適当」「適切」「適正」の違いやそれぞれの意味、
使い分け方など深堀りしてみました。
それぞれの意味や使い分けを明確にしましょう。
「適当」「適切」「適正」の違いって?
まず、「適当」「適切」「適正」のおおまかな意味を見ていきましょう。
(誤解の余地があるため注意が必要)
(過不足ない適合性を示します)
(特定の基準やルールに基づいた正確さや適合性を強調)
「適当」は、場合によっては「いい加減」や「ちょうどいい」という意味があり、
「適切」は、場や目的にちょうどいいという意味、
そして、「適正」は、何かの基準にぴったり合ってることを言います。
ちなみに、3つの言葉の中で、
許容範囲が一番広いのは「適当」という言葉です。
「適切」は、はっきりとした基準はないものの、
「適当」よりも許容範囲は狭くなり、
「適正」は、何らかの基準との比較で判断されるので、
さらに許容範囲が狭くなります。
次にそれぞれの意味についてさらに深堀りしてみましょう。
「適当」の意味を深堀り
「適当」には二つの意味があり、一つは「ちょっと適当にやったり、いい加減なこと」、
もう一つは「ちょうどいい感じ」のことを言います。
友人と遊びに行く場所を選ぶときは、「適当なところに決めよう」と言えますが、
仕事をこなしたときに「適当にやった」という使い方はよくないですよね。
「息子はいつも適当に宿題を終わらせるから、先生に注意されたらしい。」
「この机はパソコンデスクとしては適当な大きさだね。」
「適切」の意味を深堀り
「適切」は、何かがその場や目的にぴったり合ってることを言います。
数学のテストで100点を取るのが適切な目標だけど、
宇宙飛行士になるのは適切じゃないかもしれないなど、
社会のルールに合わせて「ちょうどいい」と思われる行動や考えのことです。
「適切な挨拶をしないと、友だちに変な顔をされるよ。」
「お菓子をたくさん食べるのは、健康に適切じゃないね。」
「適正」の意味を深堀り
「適正」は、「ちょうどよくて、正しいこと」を意味します。
たとえば、身長に合った自転車を選ぶとき、
ちょうどいいサイズを選ぶのが「適正な選び方」です。
「このゲームは12歳以上の子どもが適正年齢だって書いてあるよ。」
「体重に合わせた適正な食事量を知ることは大事です。」
「適当」「適切」「適正」の使い分け&解説
「適当」「適切」「適正」。
それぞれのシーンがどのような状況なのか?
例文に説明を加えているので、より使い分けが明確になりますよ。
「適当」を用いた例文
・このサイズなら「適当」でしょう。
(特定の物事に対して、大体合っていると判断する状況を指します。)
・何を着ていくかは「適当」に決めようと思う。
(服装を選ぶ際に、あまり細かく考えずに、大まかに決める様子。)
・詳細は後で「適当」に調整しよう。
(細かい部分は現時点で厳密に決めず、将来的に柔軟に変更することを示す。)
・昼食は「適当」に済ませました。
(昼食にあまり時間や労力をかけず、手軽なもので済ませたことを表す。)
・仕事の進捗はどうですか?「適当」に進んでいます。
(仕事が計画通りに進んでいるわけではないが、何とか進行中である様子を軽く答える。)
「適切」を用いた例文
・「適切」な対応をありがとう。
(何か問題が起きた時に、その状況にぴったり合った対処をしたことを感謝する言葉。)
・その服装は今日のイベントに「適切」だね。
(イベントの性質や雰囲気に合った服を着ていることを褒める言葉。)
・この難しい問題に対する「適切」な答えを見つけるのは難しい。
(問題の内容や条件に完全に合致する答えを探すことの難しさを表現する文。)
・「適切」な時期にその話をしよう。
(話題の内容や状況に合わせて、話すタイミングを選ぼうとする意志の表明。)
・「適切」なアドバイスをありがとう、大変役に立ったよ。
(自分の状況や問題に対して、ぴったりの助言をもらい、それが有用だったことを感謝する言葉。)
「適正」を用いた例文
・この機械の「適正」な使用方法を守ってください。
(機械を正しく安全に使うための正確な方法を指示する。)
・「適正」な価格で販売されている。
(商品がその価値に見合った、公正かつ妥当な価格で提供されている状況。)
・彼はこの仕事に「適正」を持っている。
(その人が特定の仕事に対して、自然な能力や適合性を持っていることを示す。)
・「適正」な評価を受けるためには、成果をしっかりとアピールする必要がある。
(公正かつ正確な評価を得るためには、自分の功績や成果を明確に示すべきであると説く文。)
・このテストは生徒の学力を「適正」に測定するためのものです。
(テストが生徒の能力や知識レベルを正しく評価する目的で行われることを表す。)
このように、
「適当」は大まかに合っているか、細部にこだわらない状態、
「適切」は状況にぴったり合ったもの、
「適正」は基準やルールに基づいた正しいものを指します。
これらの言葉は、似ているようで、
しっかりとした使い分けが必要だと言えますね。
まとめ
「適当」「適切」「適正」の違いや意味、使い分けについて
深掘りしたことをまとめると、
何でもOKみたいな時に使われること。(誤解しやすいので注意)
いろんな場面で使えること。
ルールや基準に合っているかどうかの話で使われること。
これらの言葉をシーンに合わせて上手に使い分けたいですね。
特に「適当」は、使い方を間違えると
「いい加減」と思われるので気をつけましょう。