「勧める」と「薦める」の違い｜それぞれの意味と使い分け方

【「勧める」と「薦める」の違いがいまいち分からない。。】

日常生活で「すすめる」といった表現をする際、使い分けに迷ったことはありませんか？

実際、この２つの漢字にはそれぞれ異なる意味がありますが、
これらを正確に使い分けている人は案外少ないかもしれませんね。

今回は、この２つの言葉の意味の違い、適切な使用法について深堀りしました。

「勧める」と「薦める」の明確な違い

「勧める」＝「行動」　に関する　「すすめ」
「薦める」＝「人や物」に関する　「すすめ」

基本的に、「勧める」は「何かの行動をするように促す」という意味合いがあり、
「薦める」は「価値のある人や物を推奨する」というニュアンスです。

つまり、前者は「行動」に関連し、後者は「人や物」に関わります。

「勧める」は、他人に何かをするよう提案する行為を指します。
具体的には、「〜してみてはどうか？」という形で行動を促すことです。

「勧誘」の用語にも見られるように、
相手と協力して何かを達成しようとする意味があります。

「勧」の字が示すように、一緒に取り組むことの大切さを表します。

一方、「薦める」は、価値あるものや人を他人に推奨することです。
例えば「あの映画はとても面白いのでおすすめです」という場合に使われます。

「推薦」という言葉からも、この言葉の意味が伝わります。

「薦」の字には、「提供する」「選ばれし人を推薦する」という意味が含まれており、
元々は神様への供物に関連した言葉から派生したものです。

実際に「勧める」と「薦める」を使った例文で、
具体的なイメージを見てみましょう。

・先生が私たちに毎日読書することを勧めてきました。
（先生が生徒に毎日本を読むことを提案しています。）

・父は私に野菜をたくさん食べることを勧めます。
（父が私に健康のために野菜をたくさん食べるように勧めています。）

・私は母にウォーキングすることを勧めた。
（私は運動不足の母にウォーキングを日課にすることを勧めた。）

・先生は生徒に早寝早起きを勧めました。
（先生が生徒に健康的な生活習慣を身につけるよう提案しています。）

・トラブルを起こしたメンバーにグループからの脱退を勧めた。
（他のメンバーのことを考え、トラブルを起こしたメンバーに脱退するよう勧めた。）

・この本は友達が薦める小説だ。
（友達が特に良いと思っておすすめしてくれた小説です。）

・先生が大学受験にこの参考書を薦める。
（先生が大学受験の勉強にとって役立つと考えている参考書を推薦しています。）

・私の上司が後輩に私をプロジェクトリーダーとして薦める。
（上司がプロジェクトのリーダーとして私を他の人に推薦しています。）

・彼はそのレストランを強く薦める。
（彼が非常に良いと考えるレストランを熱心に推薦しています。）

・会社が新しいマネージャーとして彼女を薦める。
（会社が新しいマネージャーとして彼女を他の人たちに推薦しています。）

これらの例文から、
「勧める」と「薦める」の使い分けが少しでも理解できたら嬉しいです。

前者は提案やアドバイスの意味で、
後者は特に良いと思うものや人を推薦するときに使います。

「勧める」と「薦める」の区別は、「推奨する対象」にあります。

「行動を促す」場合は「勧める」、
「人や物そのものを推奨する」場合は「薦める」と考えれば、

適切な表現を見つけることができます。

この記事が、「勧める」と「薦める」の正確な使い分けに役立てば幸いです。